韓国視察訪問記 Part.3
3日目:視察場所とポイント
⑤始興市共同育児分かち合いの場 見学・説明
地域の親子が集い、協力しながら子育てできるスペースとして始興市(シフン市)が設けた育児支援拠点です。幼い子どもを持つ家庭が気軽に集まり、交流・情報共有・相互支援を行える場として活用されています。日本の子育て支援施設と同様、子育て孤立を防ぎ、安心して育児に取り組める環境を作ることが目的です。

この施設があるこのエリアは高層の団地がずらりと並ぶ住宅街です。バスや電車での利便性もよいようで、幼稚園や保育園、子ども向け施設も充実した、ファミリー世帯が多い開発地のようでした。施設の説明と見学を行った後、少し離れた家族センターへ向かいました。
⑥始興市家族センター

「家族センター」は、家族全体の幸福と安定を目的に、政府(主に「女性家族部」等)や地方自治体が運営する公的な社会福祉施設です。始興市家族センターは女性家族部が指定し、始興市が委託する家族支援サービス専門機関となっています。常勤職(社会福祉士、カウンセラー、通訳など)が54名、非常勤職255名(多文化家族訪問教育指導者10名、ベビーシッター205名)いるそうです。
主なサービスとしては、家族・多文化支援プログラムの提供、家族・夫婦関係、育児など個別相談、定期的に家族参加イベントを開催して様々な人々の交流の機会を提供しています。
施設内は次のように、それぞれの機能に併せたお部屋がたくさんありました。
・プレイセラピールーム…遊戯療法の部屋で、遊びを通して自己表現を促します。
・スピーチセラピールーム…言語療法を行う部屋
・ペアレンツクラス…思春期の子どもとの向き合い方を学ぶプログラム
・カウンセリングルーム(グループ用、ファミリー用など)
・レクチャールーム…親子それぞれのプログラムを開催する部屋。
・コペアレンティングルーム…(子供を遊ばせる部屋)
この日、ペアレンツクラスでは思春期の子どもとの向き合い方を学ぶプログラムが開催されていました。また、クッキングルームもあり、ここでは地域特化事業として「愛を分かち合う食堂」を開設しているそうです。多文化家族と低所得家庭のこども(月平均30人)に食事を無償提供するというもので、学期中の朝食や、学校が休みの期間の昼食などを、地域住民が協力して食事提供をしているそうです。(すぐ隣に小学校があり、そこの児童が来るようです)



センター見学後、大きなホールにて、国公立保育園園長チョン・へウォンさんより韓国の保育園の現況と保育について説明していただきました。この後、日韓両国参加者の全体座談会を開催予定でしたが、帰りの飛行機の時間が迫ってきており行うことができませんでした。帰国後、オンライン会議で引き続き議論していきます。

3日間の韓国視察が無事終わりました。
なかなか盛りだくさんな内容で、深い議論をするところまでは時間が取れませんでしたが、韓国チームのメンバーとリアルに交流ができ、大変充実した時間となりました。
また、日本チームは普段の会議をオンラインで行っているため、今回の視察で初めて会うメンバーもおり、移動中のバスの中も、視察後の夜のフリータイムも、話題が尽きませんでした。各地で熱い思いを胸に活動しているメンバーだからこそですね。改めてこのメンバーのすばらしさを感じました。